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歌舞伎町の強敵

 深夜も営業している某パチスロ店に行くために歌舞伎町を早足で歩く。今ならまだモーニング台(というのもヘンだな。そもそも深夜営業なんだし)が落ちている可能性がある。しかし行く手を遮る者というのはどの世界にもいるもの。次から次へとポン引きが私の行く手を阻もうと群がってくる。

 そんなポン引きたちを、ちぎっては投げちぎっては投げしながら区役所通りを歩くのだが、風林会館の前でひとりの強敵が現れた。
「お兄さん、キャバクラいかがですか?」
 手を振って交わそうとするが、客引きは私の番手をピッタリマークしてついてくる。
「じゃあ、箱ヘル、ホテヘル、ピンサロ、中国エステ、韓国エステ?」
(すまんが、今日はヌキに興味がないんだ) 心の中で思いながらも、無視。
「わかった。出会いカフェ、連れ出しパブ、おっパブ、デークラ、ショーパブ、セクキャバ、ガールズバー」
(だから、女はいいんだよ)
「よし、ポーカー屋、バカラ、闇スロ、裏カジノ、オンラインカジノ」
 少しだけ私の琴線に触れるが、すでに今日は行く店を決めている。無視。
「そういうことですか。オカマバー、売り専、立ちんぼ」
 ここまで聞いたところで、ようやく強敵を振り切った。

 それにしても、このポン引きの持っている、水商売・裏商売の引き出しの多さたるや。もはや夜の一人総合商社である。あとここにドラッグが加われば非合法・飲む打つ買う三冠の達成なのだが、さすがにヤバいと思ったのか、それは言われなかった。

 思えば、昔のポン引きはもう少し分野の棲み分けがされていたような気がする。水商売を得意にするポン引き、ヌキ系風俗を得意とするポン引き、非ヌキ系のポン引きに、ギャンブル系のポン引き、といった具合に。
 だからヘルスを勧めてきたポン引きに、「抜きよりも打ち! いい麻雀ゲーム屋ない?」と聞いても、答えに詰まるようなことが多かった。
 それが今は違う。一人のポン引きが必ず複数のジャンルの引き出しを持っている。また、持っていないジャンルの問い合わせがあったときも、ポン引き内のネットワークを駆使して、何とか客の要望に合った店を探そうとするように変わってきている。
 おそらく、不景気と、歌舞伎町浄化作戦の影響で、ひとつの業種オンリーでは、ポン引きが食っていけなくなっているのではないだろうか。
 世界はボーダレス化しているという。歌舞伎町のポン引きも、確実にボーダレス化しつつある。近い将来、
「しょうがないですね。シャブ、マリファナ、コカ、ヘロ、LSD?」
 こう平気で問いかけてくるポン引きが、普通に現われてきそうな気もした。

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