笠松競馬の土地明け渡し訴訟
提訴されたときから「組合側に分が悪そうな訴訟だな」と思っていたが、予想どおりの判決となってしまった。地主にしてみれば、「なんで自分の土地をタダ同然で貸さなければいけないんだ」という話なわけで。
毎日jpの記事で原告側は「賃料を払うから競馬を開催させてと求められたらどうするか?」という質問に対し、このように回答している。
「筋違いだ。民間の土地を借りている以上、いずれ返さなければいけない時がくる。組合側は税金は投入せず、県と町が責任をもって原状回復すると言っ ている。だが数十億円かかるとみられ、組合にその資金はない。いつまで競馬を続けるかなどを、早期に話し合うべきだ。控訴して問題を先送りしないでほし い」
だが、笠松競馬場の地目は(おそらく)農地。しかも地主の総数は253人で、提訴しているのはそのうちの約3分の1。農地だから売却できないし、しかも地主一人あたりの平均所有面積(競馬場敷地÷地主数)はたった120㎡と所有者が入り組んでおり、現況を壊してしまうと、その後の使い道などなかなか見つからない。原告は「競馬場廃止→県と町が現状回復→県か町に買い上げてもらう」という方向性を模索しているのかもしれないが、競馬開催続行での和解の方向性はまだまだ残されているはずだ。
競馬場に土地を貸していても、競馬はまったくやらないという地主が多いと聞く。法廷闘争も大切だが、控訴を続けて遺恨を残すのではなく、存続のためには「いかに地主たちに笠松競馬に好意をもってもらうか」が重要なのではないかと思う。
現実離れした話であるのを承知で書くが、「組合が競走馬を購入してきて、地主たちに面積に応じて競走馬の出資権を毎年与える」という案はどうだろう。笠松の馬券が売れない理由は「集客が少ない」から。集客が少ない理由は「出走馬が少なくて番組がつまらない」から。ならば賃料という形でなく、競走馬という現物で与えたほうが、同じ賃料でも効果は大きい。
この案は突飛だとしても、常識にとらわれない案でないと解決は難しい。笠松競馬の売り上げが劇的に上がることはない。原告も被告も「カネ」だけにこだわると、地主・組合・ファンすべてにアンハッピーな結末を迎えることになるだろう。
競馬場は儲かっていなくても、競馬場があることによる効果は確実にある。
この効果をいかにアピールし、いかに広げていくかが、地方競馬、いやJRAを含めたすべての公営競技に必要なのではないだろうか。
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